移情閣友の会

「私の台湾時代とそれから」を聴講して

中国文化同好会9月例会講師:後藤 みなみ(台湾名:王 淑麗)
 9月18日に芝生広場では音楽と屋台のイベントが賑やかに開催されていた、雨模様の午後、後藤みなみ女史の講演を聴講した。
1949年~87年の台湾は国民党支配下で戒厳令が敷かれて、高校では軍官が常駐で生活指導、軍事射撃訓練も行われ、また、日本語と日本文化の排除が徹底されていた。
 実家は台南で故郷を忘れないように日本国籍を取得するときに、ご主人の命名で「みなみ」と名前を付けた。台湾で日本語を学んでいた彼女は留学生として日本へ1984年に来日し、日本の大手企業に就職し、現在のご主人と国1結婚。日本国籍を取得されるのに提出された様々な資料を懐かしそうに説明された。
 来日後東京から沖縄県宮古島に移住し、自給自足の農業をしながら生活した。その後神戸で再就職し、非正規雇用しかなれず安い給料で、お二人の子どもを育てながら、義母の介護も経験した。現在、兵庫県男女共同参画推進員や兵庫県神戸地域ビジョン委員としても活躍されている。
 日本統治時代(1895~1945年)にはインフラ整備、日本の教育に尽くした後藤新平、新渡戸稲造、八田與一などの功績もあり、今でも息づく日本精神、武士道があり、最近は漫画や和食ブームもあり日本語を学ぶ人たちも多くなった。これらのことが台湾の親日的な理由の一つと考えられる。
 講師の目でみた日本にはいくつかの問題点がある。例えば政治への無関心、社会格差、貧困問題など、今後女性の政治への参加が進んでゆけば、今までの政治も少しづつ変わってくるだろう。日本の良いところは人と人、人と自然、人とモノのハーモニーが素晴らしく日本大好き人間になれる。後藤みなみさんもその一人だと言う。
 友の会とのご縁は25周年記念講演の玉岡かおる先生の講演に始まる。中文同好会での仲間との出会いである。日、中、台の架け橋となる親しめる友の会の運営に心がけたいと講演をしめくくられた。
 後藤みなみさんの発案に始まる孫文検定は会員の和と輪を広げる大きな第一歩となると思うので、「孫文は人気が無いとの話に惑わされることなく、移情閣検定として呉錦堂、移情閣の建築も含めた検定として、三分の一程度は館内を細かく閲覧すれば点がとれるように仕組みを工夫されてはどうか?と期待している。
(文責:中文同好会会員 元吉治夫)

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Posted by 移情閣友の会 at 2016年09月19日 22:57同好会
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