移情閣友の会

楊貴妃の舞楽

舞姫、こころ(胡紅侶)の日本における舞踊活動二十周年の記念公演が七月二十九日神戸文化ホールで開催されました。

 第一幕は中国古典舞劇「楊貴妃の舞楽」で、唐王朝の玄宗皇帝との愛に生きた楊貴妃の光と影の生涯を踊りで表現した舞による劇であります。後宮三千人と高力士をはじめとする宦官に迎えられた華麗なる楊貴妃の登場で始まる。それに続く、玄宗皇帝の作曲した「霓裳羽衣(げいしょううい)の曲」に合わせて踊る天女たち。また、牡丹満開の沈香亭(じんこうてい)で酔った楊貴妃の妖艶な舞。足を踏み鳴らすリズミカルな民衆の踏歌の舞。「雲には衣装を想い花には容を想う・・・」と、楊貴妃を称えた李白の「清平調(せいへいちょう)の詩」を表現する魅惑的な踊り。
 豪華絢爛たる楊貴妃の舞が続きますが、栄枯盛衰は世の常、「安禄山の乱」で、玄宗皇帝と楊貴妃は都、長安を追われる。逃げ落ちる途中、馬嵬(ばかい)の地で楊貴妃は非業の死を遂げる。二人の愛と悲劇を歌った白居易の「長恨歌」「天にあっては比翼の鳥となり、地にあっては連理の枝とならん・・・」の朗読の下に哀しみの舞が展開される。最後は美しい天女になって空で乱舞する楊貴妃の舞で幕を閉じる。
 今年は楊貴妃生誕千三百年の記念の年でもあり、ピッタリの公演でありました。壮大なスケールと魅惑的な歴史ロマンの大作は満席の聴衆にさわやかな感動を与えました。

 第二幕ではアジア各国のユニークな舞踊が紹介されました。
 中国江南地方の風光明媚な自然を表現した中国の古典の舞。坂本冬美の歌に合わせた現代的な日本の舞「さくら」。カラフルな衣装に身を包んだ中国福建の民族の舞。舞姫こころの独演による太鼓を打ち鳴らし神に祈りを捧げる中国少数民族ミオ族の舞。優美な風俗と豊かな人情を表現する台湾の伝統の舞。沖縄のリアルな動きをする獅子の舞と身体の底に響く太鼓のエイサーの舞。観客は全ての舞に強く引き付けられ、心奪われる思いで拍手がなり止みませんでした。

芸術には国境がない、舞踊は万国共通の言葉、音楽は心のエネルギー。芸術と文化は我々に平和と生きる喜びを与えてくれる。
( 2019年7月30日 中国古代史同好会代表 吉村 晴夫 記)

2012年移情閣まつりで出演いただいたご縁で、こころさんからご案内をいただきました。友の会FackbookやLINE掲示板などで案内したところ18名が鑑賞へ参加。踊りを通じて中国文化などを親しむことができました。(後藤)
同じカテゴリー(友の会交流広場)の記事画像
台湾交流の旅2019を終えて
孫文記念館を見学して
南紀 「南方熊楠記念館」「南方熊楠顕彰館」 訪問記
南方熊楠ゆかりの地訪問記 ―熊楠と孫文―
《王羲之と魯迅の跡を訪ねて》
同じカテゴリー(友の会交流広場)の記事
 長寿社会における日中協働について (2019-06-11 15:49)
 台湾交流の旅2019を終えて (2019-05-04 18:28)
 孫文記念館を見学して (2019-05-02 14:04)
 南紀 「南方熊楠記念館」「南方熊楠顕彰館」 訪問記 (2019-01-11 22:02)
 南方熊楠ゆかりの地訪問記 ―熊楠と孫文― (2018-05-14 13:11)
 新春会を参加して (2018-02-01 13:15)
移情閣,孫文,記念館
Posted by 移情閣友の会 at 2019年08月15日 22:01友の会交流広場
< 2025年05月 >
S M T W T F S
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最近のコメント
QRコード
QRCODE
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 7人