移情閣友の会

2010年唐金海先生ご来館!

12年前の書道の師唐金海先生 (5/9)ご来館!
[略歴]1941年生まれ。元?旦大学教授。巴金、並びに茅盾研究の著作多数。書家。石鼓文研究の第一人者。
「松風と鶴の調べは偉人を称える」
神戸孫文記念館を参観して
日本語訳:移情閣友の会 村上冨美子

海辺には変わりなく人の目をひく小さな洋館が建っている。周りには変わりなくきらきらと輝く波、青々とした大海原、その傍らには変わることなく向かいの島まで横たわる明石海峡大橋、その一方には変わることなく青々と茂る松林と一面の芝生、・・・私たちは日本の友人について孫文記念館を訪ね、一代の偉人を拝観した。
 以前私たちは講義と書展のため訪日した際、二回にわたり日本の友人について孫文記念館を訪れ、孫中山先生の姿を仰ぎ見た。この度の拝観は神戸で上海に続き《儒教・道教・佛教経典哲言國際書法交流展》を催した時のことだった。一行8人、9人は、館内では先生を仰ぎ見て心を集中して、静かに声一つ発しなかった。
 先生の数十年の生涯は、風雲揺れ動く険しい路だった。すなわち幾度も義旗を高く掲げ、天地を驚かせ、鬼神も泣かせた。世界各地を駆けめぐって、封建独裁反対の気運を巻き起こし、燈下著作に励んで、“民主、自由、中国を救おう”の火種をまいた。敗れても屈せず、功成っても計えなかった。東海(日本)の友人の財政上、精神上の支援を心に刻み、志を立てて中華の“道統と欧米”の文化を実践、発揚して・・・輝かしい業績を歴史に残された。
 この度の訪問でとりわけ感じたことは、記念館でまた改めて先生の親筆「天下為公」を拝観し、又、次から次へと思いが浮かんできたことである。すなわち、現実に照らして感慨は倍した。ここ百年来、多くの人々は「公」という言葉を公道、公平、公理、大公無私(公正無私)などと解釈してきたが、当然これは題詞の「公」の本来の意味でなければならない。私が長年研究している石鼓文やこの度の書展に関係づけることは奇想天外なことかもしれない。「公」という字から仮借した文字と漢語の同音異義を連想した。すなわち、「天下為公」は人により、時によって異なり、同音異字から派生して「天下為“恭”」、「天下為“工”」、「天下為“躬”」、「天下為“功”」、「天下為“宮”」などを連想し、次から次へと普天の下、「恭敬有礼(礼儀正しく)」、「労工立身(労働で身を立てる)」、「創業躬行(自ら起業する)」、「建功立業(功績を立てる)」、「宮安家和(国は平和、家庭は円満)」などと連想され、当然ながらこのような流れで、仮借文字、同音異字から「天下為“弓”」、「天下為“攻”」即ち「弓・弩・戈・矛」、「“攻”防皆備(攻守共に備う)」へと拡大解釈される。(*訳者注参照) これらは孫中山先生の題詞の本義ではなく、私がこの度の訪問に際して奇想天外、偶然に思いついたことにすぎない。
 世界(人類社会、大自然と宇宙万物)は元をたどれば錯綜し、また複雑であり、変化は限りなく、有形、無形の綜合体の「天下」であり、その矛盾は入り組み、戦いは止まず、だまし、奪い、強引に占領するものとなってはいるが、当然、「公」がその主導となり、“天下”の精神的支柱、“天下”の存在、運行、法則となり、天下のいつまでも続く不変の法則、定則である。まさに、孫中山先生の詞にいう「天下為公」だ。実際には、中外の多くの先人も言われているように、天下は天下の人々の天下であり、どうしてもっぱら私のものとすることなどできるだろうか? 一つの党派、一つのグループ、一つの民族、一つの家族・・・といった私のものとすることなどできるだろうか? そうでないからこそ、たとい専制が一時横行したとしても、ついには天の理、人の心にさからうものとして“天下”の容れないところとなるのだ。
 心を凝めて館内を見学し、同行の友人たちは天井の十数枚の扁額を仰ぎ見ては、墨跡のあふれ滴りを讃え、或いは筆先の雄渾を称え、或いは味わい深い語句、或いは扁額の精美さに心を打たれ……この度の参観に感じて、胸は波うち、その思いを言葉にまとめ、紙を広げ墨を含ませ、心を統一して、筆を振るって書き上げた。松風鶴韵、と。 


(於)移情閣にて揮毫  「松風鶴韵」      同行の諸氏と記念の撮影
唐金海先生とのご縁
移情閣友の会 江嶋重良
 唐金海先生は元?旦大学教授で、中国古典文学の専門家であり、また、作家巴金の研究でも高名であり、同時に書家としても名が知れ渡っている方で、特に石鼓文の研究については第一人者です。 上の文は、今回、先生が展覧会開催のため来日された際、移情閣に立ち寄られ、寄せられたご感想です。          先生は1998年に神戸市立外国語大学に交換教授として来日され、その際、土曜、日曜を利用
して移情閣友の会の有志に書道教室を開いて、書道の基本を教えてくださいました。先生の書の指導時の口癖は、「書には気が入っていなければならない」、「直筆(筆をまっすぐ立てて書くこと)」、「撥ねるのではなく持ち上げて抜く」等々、中国書法の基礎でした。授業を受けた我々は、書には素人の者が大半でしたが、書の基本を身につけて大変ありがたく感謝している次第です。



これを以て孫中山先生に敬意を表し、「天下為公」の浩然の気を称揚することとする。
2010年6月10日
唐金海

*訳者注:「公・恭・・・攻」は中国語の音はgongで同一。
今年も咲いた孫文蓮



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移情閣,孫文,記念館
Posted by 移情閣友の会 at 2011年06月23日 14:34友の会活動
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